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お知らせ 2026/04/20
宅配業特有のカスハラ対策指針が策定されました ~現場を守る「基準」と「体制」の作り方~

厚生労働省は2026年3月、宅配業務の実態に即した「業種別カスタマーハラスメント対策企業マニュアル(宅配業編)」を公表しました。物流のラストワンマイルを担う従業員の心身を守るため、企業が講じるべき具体的な措置が示されています。
1. 「謝り続ける」対応からの脱却~マニュアルが示す判断基準~
マニュアルに掲載された実態調査(P.10)では、カスハラを受けた際に「謝り続けた」と回答した従業員が57.1%(電話窓口では72.9%)と半数を超えています。この背景には、顧客第一の考え方から「不当な要求」との境界線が曖昧になっている現状があります。
今回の指針では、カスハラを「顧客等からの妥当性を欠く要求」かつ「手段・態様が不相当なもの」と明確に定義しました。具体的には、大声での威圧、数時間にわたる拘束、SNSへの投稿による脅し、玄関先での居座りなどが該当します。
企業はまず、この判断基準を現場と共有し、「どこまでがサービスで、どこからが拒絶すべきハラスメントか」の線引きを明確にすることが求められています。従業員が一人で抱え込み「謝り続ける」しかない状況を打破することが、対策の第一歩です。
2. 場面別リスクへの備え~組織で取り組む「拒絶」と「保護」~
宅配業は、不在連絡や配送遅延、荷物の破損など、顧客の不満が爆発しやすいポイントが多く存在します。マニュアルでは、集荷・配達時や電話対応など、場面ごとの具体的な対応手順が整理されました。
重要なのは、悪質な事案が発生した際の「組織的介入」です。管理職が対応を引き継ぐことで、顧客の要求を断ったり警察へ通報したりといった毅然とした対応が可能になることがデータでも示されています。
また、法改正により、2026年10月からはカスハラ防止のための雇用管理上の措置が「事業主の義務」となります。方針の策定、相談窓口の設置、被害者のメンタルヘルスケアに加え、業界共通の啓発ポスターやステッカーの活用による「未然防止」への取り組みも、組織として不可欠なアクションとして挙げられています。
本マニュアルの活用は、単に従業員の安全を守るだけでなく、2026年10月から義務化される「改正労働施策総合推進法」への対応そのものです。