お知らせ
2024/04/09
人材不足と防衛的賃上げ
日本商工会議所と東京商工会議所が2月に発表した「中小企業の人手不足、賃金・最低賃金に関する調査」
結果によりますと、2024年度に「賃上げを実施予定」とする企業の割合が61.3%と6割を超え、昨年、2023年度について
尋ねた調査結果(58.2%)を3.1ポイント上回りました。
「賃上げを実施予定」の企業を100として、業績の改善がみられませんが賃上げを実施予定とする「防衛的な賃上げ」
企業の割合をみますと60.3%で、昨年度(62.2%)に引き続き約6割を占めています。
※調査は全国の中小企業2,988社が回答。2024年1月4日~26日に実施(回答率49.7%)。
2024年度の賃上げの予定は、「業績が好調・改善しているため賃上げを実施予定」が24.4%、「業績の改善がみら
れないが賃上げを実施予定」が36.9%、「現時点では未定」が34.7%、「賃上げを見送る予定(引き下げる予定の
場合を含む)」が3.7%、「業績が好調・改善しているため賃上げを実施予定」と「業績の改善がみられないが賃上げを
実施予定」を合わせた「賃上げを実施予定」の企業は61.3%となっています。
「賃上げを実施予定」の企業割合は、2022年度:45.8%→2023年度:58.2%→2024年度:61.3%と増加傾向
にあります。
「防衛的な賃上げ」の理由のトップは「人材の確保・採用」
2024年度に「防衛的な賃上げ」を予定する企業にその理由を尋ねると(複数回答)、
「人材の確保・採用」が76.7%に
達し、「物価上昇への対応」も61.0%にのぼります。 「賃上げを見送る予定・引下げる予定」とした企業に対してその理由を
尋ねた結果では(複数回答)、「売上の低迷」(55.9%)がトップにあがり、「原材料費等のコスト負担増」(43.2%)が
これに続きました。「人件費の価格転嫁が難しいため」は33.3%でした。
出典
独立行政法人労働政策研究・研修機構 『2024年度に「賃上げを実施予定」の企業割合が6割を超え、昨年度から3.1
ポイント増加 ――日本商工会議所・東京商工会議所の「中小企業の人手不足、賃金・最低賃金に関する調査」』
https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2024/04/kokunai_02.html
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