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お知らせ 2021/07/09

令和2年度「過労死等の労災補償状況」が公表されました

厚生労働省は、令和2年度の「過労死等*1の労災補償状況」を取りまとめました。

厚生労働省は、過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患や、仕事による強いストレスが原因で発病した精神障害の状況について、平成14年から、労災請求件数や、「業務上疾病」と認定し労災保険給付を決定した支給決定件数(令和元年度中に「業務上」と認定した件数で、令和元年度以前に請求があったものを含む)などを年1回、取りまとめています。

*1 「過労死等」とは、過労死等防止対策推進法第2条において、「業務における過重な負荷による脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡若しくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡又はこれらの脳血管疾患若しくは心臓疾患若しくは精神障害をいう。」と定義されています。
 

結果のポイント

  • 過労死等に関する請求件数は2,835件前年度比161件の減
  • 支給決定件数は802件前年度比77件の増となり、うち死亡(自殺未遂を含む。)件数は前年度比26件減の148件。
 

脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況

■請求件数は784件で、前年度比152件の減。
■支給決定件数は194件で前年度比22件の減となり、うち死亡件数は前年度比19件減の67件。


            脳・心臓疾患の労災補償状況

       脳・心臓疾患の請求、決定及び支給決定件数の推移

■時間外労働時間別(1か月または2~6か月における1か月平均)支給決定件数は、「評価期間1か月」では「100時間以上~120時間未満」が27件が最も多くなりました。また、「評価期間2~6か月における1か月平均」では「80時間以上~100時間未満」が75件が最も多くなりました。

 

精神障害に関する事案の労災補償状況

■請求件数は2,051件で、前年度比9件の減となり、うち未遂を含む自殺件数は前年度比47件減の155件。
■支給決定件数は608件で前年度比99件の増となり、うち未遂を含む自殺件数は前年度比7件減の81件。

             精神障害の労災補償状況


         精神障害の請求、決定及び支給決定件数の推移

■時間外労働時間別(1か月平均)支給決定件数は、「20時間未満」が68件で最も多く、次いで「100時間以上~120時間未満」が56件となりました。

■出来事別の支給決定件数は、「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」が99件、「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」が83件、「同僚等から、暴行又は(ひどい)いじめ・嫌がらせを受けた」が71件の順に多くなりました。
 

裁量労働者制対象者に関する事案の労災補償状況

裁量労働制対象者に関する脳・心臓疾患の支給決定件数は1件で、専門業務型裁量労働制対象者に関する支給決定となりました。また、精神障害の支給決定件数は6件で、すべて専門業務型裁量労働制対象者に関する支給決定となりました。



詳細は厚生労働省HPにてご確認ください。
厚生労働省HP「令和2年度「過労死等の労災補償状況」を公表します」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19299.html

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